近年、カードローンの利用者の中で、銀行カードローンの利用者の比率が非常に高くなっています。

それを裏付けるかのように、メガバンクを始め、ほとんどの銀行がカードローンを提供しています。

銀行カードローンが利用される理由には、銀行の絶大な信用があります。銀行であれば法律を犯すような強圧的な取立ては考えられません。

また、普段から給料の受取りや、定期預金の利用などで慣れ親しんでいるという気軽さもあります。コンビニATMの手数料が無料というのも魅力です。

そしてもう一つ、貸出金利の低さも大きな要因と言えます。

カードローンの利用者の90%以上は借入額が50万円以下の少額になっており、その金額帯の貸出金利は消費者金融カードローンの18%に対し、銀行カードローンは14~15%でしかありません。

銀行カードローンの貸出金利が低く設定されている理由には、主に以下の4つのことが挙げられます。1

容易に調達できる貸出資金

カードローンを運営する場合は当然、貸出に使う資金が必要になります。

銀行には毎日のように預金者がお金を入金しに来ます。日本人は預金が好きなため、その金額は膨大な額になります。

つまり、銀行カードローンの場合は大した労力をかけずに、自動的に貸出資金が集まってくるということです。

一方、消費者金融は銀行のようにお金が集まるわけではないため、銀行から貸出資金を借りなければなりません。

当然、利息を付けて銀行に返済しなければならず、その利息分をカードローンの貸出金利に上乗せしなければなりません。

十分な金利差益の確保

銀行の利益というのは簡単に言えば、お金を貸出すことで得た利息から、預金者に支払う預金利子を差引いた額です。

ところが、近年の定期預金における利子の金利は限りなく0%に近いため、預金の払戻し時における利子の負担が全く無い状態です。

つまり、カードローンの貸出金利がまるまる金利差益になります。カードローンの貸出金利を高くする必要がありません。

一方、消費者金融は銀行からの借入金の利息の支払いがあるため、必然的に貸出金利を高くせざるを得ません。

単純に、借入利息分だけでも銀行の貸出金利より高くなります。

設定する必要の無い貸倒れリスク

企業というのは多かれ少なかれ、利益の中に貸倒れのリスクを含んでいるものです。

特に、貸金業というのは必ず、回収不能の債権が発生します。その貸倒れが利益を食いつぶすことになります。

従って、貸出金利は貸倒れのあることを想定して設定されます。

ところが、銀行カードローンには貸し倒れリスクがありません。貸倒れリスクの無いことで、カードローンの利益の減少を考慮しなくて済みます。

銀行カードローンは無担保・無保証人とは謳っていますが、実際には利用者と新規契約を結ぶ際、必ず消費者金融やクレジット会社などの貸金業者の保証を受けることを条件にしています。

例えば、三菱UFJ銀行のバンクイックはグループ会社の貸金業者アコムを保証会社にしています。

また、三井住友銀行カードローンも同じくグループ会社の貸金業者SMBCコンシューマーファイナンス(旧プロミス)が保証会社になっています。

そして、利用者が貸出金の返済を滞らせると、銀行は保証会社である貸金業者から貸出残高全額を代位弁済してもらいます。

つまり、利用者が返済を完済させようが、滞納しようが、銀行は貸出金を全額回収できるシステムになっています。

結果として、貸倒れによる損失を貸出金利に上乗せするという必要が無くなります。

消費者金融はそうはいきません。回収不能になれば、その金額が利益から消滅します。消費者金融の金利が高いのはこのことが影響しています。

また、回収を担当するスタッフの配置が必要になり、その人件費も貸出金利から出費されます。

管理コストの減少

銀行カードローンの審査は、実質的に保証会社(貸金業者)が行っています。

銀行は企業への融資が本業であるため、消費者向けのカードローンに対するスキルが無く、審査におけるノウハウも持っていません。そのため、保証会社に審査を任せているのが実態です。

貸金業者は長年の実績による莫大なデータを蓄積しており、審査システムも構築されています。また、指定信用情報機関に登録されている個人の信用情報も利用できます。

銀行は保証会社に審査を委託することで、新たに人材を配置したり、システムを開発したりする必要がありません。その削減できる経費分をカードローンの貸出金利に当てることができます。

消費者金融はすべて自社で行うため、管理コストを賄う必要があり、貸出金利にその金額が反映されます。

まとめ

銀行カードローンは運営コストの面で、消費者金融カードローンより大幅に有利になっています。それが、貸出金利の低さにつながっています。

一方、消費者金融は貸出に必要な資金を金融機関から借入れなければなりません。また、回収における人件費などの管理コストがかかります。

当然、借入にかかる利息分や管理コストを貸出金利に上乗せすることになります。

さらに、貸出金が回収不能になることを念頭に入れなければならず、必然的に消費者金融カードローンは貸出金利が高くなります。